“全身漫画”家ー江川達也氏についてー

DEADMAN

なぜこの本を買って読んだのかは覚えていない。

読んだ時期はかなり昔で10年ほど前だろうか。江川達也氏の漫画に出会ったのは、小学生の時に読んだ「まじかる☆タルるートくん」である。

その後、中学生の時に「GOLDEN BOY」を少し読み、高校生の時に「DEADMAN」をこれも途中まで読んだ。江川氏は「東京大学物語」や比較的最近では「日露戦争物語」、「源氏物語」などという作品を発表しており、教育に関するメッセージを作品の中に織り込んでくる作家という印象だった。

この本はライターによるインタヴューをまとめたもので、江川氏の半生をはじめ、漫画家として成功するためにいかに緻密なマーケティングをしたかなど、様々なことを知ることが出来る。

だけど、僕が最も記憶に残っているのは、章と章のはざまのページに載せられているプロデビュー前の作品の見事な出来栄えである。

いくつかの作品および習作が載っており、絵はそれぞれ1ページだけでその横に作品についての紹介がされている。14歳の作品の時点で、相当上手い。絵がトレースやそれに近いものではなくて、ちゃんと「動かせる」絵になっている。

江川氏の学校教育に対する主張や批判は正直に申し上げて、(僕にとっては)あまり興味は湧かなかった。

ただ、江川氏のような自分自身の思想や主張を作品に濃く反映させるタイプの漫画家は、誰とは言わないが絵はイマイチな場合が多い。イマイチというと語弊があるかもしれないが、僕が好きなタイプの絵じゃないことが多い。

それに対して江川氏は絵が抜群に上手い。このなかなか両立することの見ないものを両立させている点が、僕が江川氏の作品を好きな理由である。

ちなみに、江川氏の下でアシスタントをしていた藤島康介氏も好きで、画集を持っている。そこまで言う「プロデビュー前の作品」について興味がある方は、ぜひ読んでみてほしい。では、今日はこの辺で。

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