右腕を切る━さいとう・たかを先生について━

俺の後ろに立つな―さいとう・たかを劇画一代

 さいとう・たかを先生の作品群の中では有名なほうではないが、「右腕を切る」という読み切りがある。今はもう募集していないかもしれないけれど、4年くらい前までリイド社のホームページでこの作品のリメイク原稿を募集していた。さいとう・たかを先生のファンだった僕は、たまたまこの募集を目にし、応募してみようという気になった。結局、作品は完成させられなかったが、下記の3枚のペン画はその時に描いたものである。

右腕を切る①右腕を切る②右腕を切る③

 さいとうプロダクションの前身である「劇画工房」の解散を、先生は自伝で「痛恨の極み」と述べている。そして、「心の奥底にしこりとなって今なお疼いている」と。漫画家というのは、良くも悪くも我が強く、自分一人で何でもやってしまいたい人達である。そのような人でないと、そもそも漫画など描こうとしないのかもしれない。そうした漫画家たちを集め、オーガナイズするのは至難の業である。僕は自分自身、広告漫画制作会社にいた経験からも、そのことが痛いくらい分かる。

 その後も、さいとう先生は分業化の夢を追い続け、「ゴルゴ13」の連載は休載なしで40年を超えた。他にも秋元治先生や本宮ひろ志先生など、分業化を確立している漫画家はいるが、共通しているのは人柄の良さというか器の大きさのような気がする。その草分けであるさいとう先生の企業として(あるいはシステムとして)漫画を作り続ける姿勢に僕は強く惹かれる。僕のように典型的な「我が強く、自分一人で何でもやってしまいたい人」が、そのような姿勢に惹かれるというのも変な話であるが、まあその通りなんだから仕方がない。

さいとう・たかを個展

 オリジナルの「右腕を切る」はこちらから読むことができます。では、今日はこの辺で。

 

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